Case7
含歯性嚢胞
 
     

パノラマX線写真

 

右側上顎8は右側上顎結節上部に水平状態で埋伏している。同歯牙の歯冠を含む単房性で類円形のX線透過像を右側上顎7根尖から上顎洞底相当部に認める。境界は明瞭、辺縁平滑で、硬化像を伴っている。大きさは、長径2.5 cm程度である。病変rimは、右側上顎洞底線及び後壁線と連続し、上顎洞内へ膨隆している。病変は、上顎洞内へ入り込んでいるものの一層の骨は存在し、病変の発症部位が上顎骨であることを意味する。病変と右側上顎7根尖は重なっており、同部歯根膜腔は不明である。右側上顎8の歯冠を含む良性腫瘤形成性病変である。病変は右側上顎洞底部を挙上し、内部に進展したものである。


口内法X線写真



右側上顎7根尖部の上顎洞底部に重なって境界明瞭なX線透過像を認める。辺縁は平滑で、硬化像を持っている。硬化像は、同部を走行している上顎洞底線と連続している。病変上部には上顎骨の頬骨突起が認められる。病変は右側上顎7口蓋根及び遠心根と重なっており、同根の歯根膜腔は不明瞭化している。

Waters法X線写真

 
右側上顎洞底部の後壁に境界明瞭な単房性でドーム状のX線不透過像を認める。大きさは長径2 cm程度である。病変に接触する部の右側頬骨下陵を示す線は消失し、不連続となっている。
 

エックス線CT写真


骨モード:
右側上顎洞底部の後方部を中心に境界明瞭な単房性のsoft tissue density structureを認める。病変内には右側上顎8歯冠を含んでおり、辺縁平滑で形態は類円形を呈している。大きさは、長径2.5 cm程度である。病変の存在により上顎洞後壁及び底部は膨隆し、後壁の一部は非薄化・消失している。右側上顎8歯冠を含む顎骨中心性良性疾患の上顎洞への挙上を示す。

 



軟組織モード:
右側上顎洞底部の後方部を中心に境界明瞭な単房性のsoft tissue density structureを認める。病変内には右側上顎8歯冠を含んでおり、辺縁平滑で形態は類円形を呈している。大きさは、長径2.5 cm程度である。内部成分はCT値が30程度より液性成分の貯留を思わせる。病変の存在により上顎洞後壁及び底部は膨隆し、特に後壁の一部は非薄化・消失している。骨が消失している部分でも病変内部組織は周囲正常組織に浸潤傾向はなく、境界明瞭である。右側上顎8歯冠を含む顎骨中心性良性嚢胞性疾患の上顎洞への挙上を示す。

   
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