パノラマX線写真
下顎左側第一小臼歯根尖相当部から下顎左側第一大臼歯根尖部にかけて境界明瞭なX線透過像を認める。大きさは2×3
cm程度で楕円形を呈している。小臼歯部に近接している部分は境界明瞭であるが、大臼歯に近い部分は若干不明瞭化している。更に、その透過像に重なるように下顎左側第二大臼歯根尖部にも境界明瞭なX線透過像を認める。大きさは拇指頭大で楕円形を呈している。周囲には辺縁硬化像を認める。また、その周囲は瀰漫性に不透過性変化を示している。それに伴い、左側下顎管は軽度明瞭化している。また、下顎左側第二大臼歯の周囲歯根膜腔は拡大し、根尖部のX線透過像と連続している。両病変とも顎骨上部にあり下顎下縁に明らかな異常は認めない。
但し、左側下顎骨体部は反対側下顎骨の障害陰影が強く、全体的に不透過性の亢進を示している。
CT
下顎左側第二大臼歯根尖部歯槽骨内に楕円形のsoft tissue density structureを認める。境界明瞭で、大きさは長径1
cm程度である。内部濃度はwater densityであり、液性成分の貯留を思わせる。頬側皮質骨は菲薄化し、一部消失している。Structureの周囲を取り巻いている骨のdensityは瀰漫性に上昇し、骨硬化を表している。また、structure下部を下顎管が走行し、頬側皮質骨を貫通してオトガイ孔が開口している。頬部は外側に腫脹し広頸筋及び表情筋は組織腫脹・不明瞭化を呈している。更に、筋内側の皮下脂肪組織は混濁化を呈している。