Case5 薬剤関連顎骨壊死    

患者:69歳男性

主訴:右側上顎大臼歯部の疼痛(ビスフフォスフォネート系薬剤服用歴あり)

       

パノラマX線写真

上顎右側大臼歯部の歯槽骨消失を認める。周囲骨は瀰漫性に不透過性変化を示している。骨消失と近接する右側上顎洞底線は一部不明瞭化している。

(他の歯の所見は略)

       

CT

右側上顎大臼歯相当部の骨梁に顕著な粗造化を認める。その領域に一致して頬側及び口蓋側皮質骨の一部が消失している。上記領域は境界不明瞭で辺縁不整である。内部には複数のair density structureを認める。骨消失部の頬側軟組織にsoft tissue density structureが組織形態に沿って広がっている。頬筋は不明瞭化している。

    診断:右側上顎骨の肉芽形成を伴う骨髄炎(BRONJ)
         
薬剤関連顎骨疾患

ビスフォスフォネート(Bisphosphonate)製剤やデノスマブ製剤の副作用として顎骨壊死や骨髄炎が報告されている。骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)や薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)と総称される。             
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